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No.005 元箱根 和心亭豊月

このお宿は5年前に浴場周りの人工竹垣と叩き出しアプローチを製作したのがきっかけで、以来庭木の年間管理や造園の部分改修工事などでお世話になっている現場です。 今回は、玄関脇の庭部分の土の入れ替え(建築残土を投入したらしく植物の生育が思わしくないので)を中心に工事をすることになったものです。

まず全体の流れを見てください。既存の庭石2個とヤマボウシとツバキは動かさず、ほかの木はいったん掘り取って最後に植え直します。今回新たにツツジ、サツキ、ドウダンの大株を追加しました。
手前の土留め石は舗装との隙間ができていたため、隙間をカラーモルタルで充填しました。ここに隙間があったため駐車場に降った雨が全部この植栽地に流れ込み、水はけの悪い建設残土のせいもあって植物が根腐れを起こしていたのです。また、写真の裏側部分はだらっとした斜面になっていて土砂が排水溝に流れ込んでしまうので今回ブロックで土留めをして鉄平石の小端積みで仕上げることにしました。


施工前
施工中
施工後
施工前
施工中
施工後

まずは既存の庭を解体して土の入れ替え作業です。写真は裏側の部分で、
ブロック基礎の床堀を兼ねています。かなり土質が悪いのがわかるでしょうか。
今回の工事では2トンダンプ6台分の土を入れ替えました。
掘削

土留め施工前
土留め施工中
土留め施工後
土留め施工前
土留め施工中
土留め施工後

DOパイプ この現場のように土質が悪く水はけが悪い時は根腐れを防止するため「パーライト」を使います。「パーライト」とは黒曜石を1000℃以上の高温で焼成発泡させた無機質・超軽量の土壌改良材で透水性、通気性のコントロールをします。いわゆる堆肥などとは違い生理的に植物に元気を付けるものではなく、物理的に土壌を改善し根の育成を促進するものとお考えください。今回は「ホワイトローム(パーライトの4o〜25o粒)」を深さ40pくらいの地盤に厚さ10p程度敷き込み、黒土真珠岩パーライト(細粒)とAGロック(硬質流紋岩発泡物)を混ぜて新規の客土としています。とりわけ雨水が停滞しそうな部分にはDOパイプという酸素管を入れてあります。地下水が溜まっているような劣悪な環境でもこの方法でかなり効果が上がります。要するに根は水や肥料だけでなく我々と同じようにまず、酸素を欲っしているのです

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