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No.072 水琴窟のある和風庭園 〜藤沢市 I邸〜
2007/10

閑静な住宅街の一角。おばあさまが楽しんでおられた庭は木々が茂り鉢植えも所狭しと置かれていました。
そのおばあさまが亡くなられたのを機にリフォームしようというのが今回の依頼の趣旨です。
こちらの奥様が開いているステンドグラスの教室に、以前弊社で庭のリフォームをしたお客様が通っていて、 弊社を紹介していただいた次第です。仕事って繋がっていくんですよね。

施工前 拡大できます

施工後 拡大できます
図面を描くにしてもこのままではイメージも湧かないので、とにかくまず庭木の手入れをすることから始めました。

剪定作業後 拡大できます
(1)


思案中 拡大できます
(2)


石の据え直し 拡大できます
(3)
(1)まずは不要な木を撤去。残した木を剪定して工事を始めます。一気に明るくなりました。
(2)スケッチブック片手にあれやこれやイメージをふくらませます。
(3)真ん中の山型の庭石以外はすべて据え直すことにしました。
犬走り下地 拡大できます
(4)


石張り下地 拡大できます
(5)


延べ段 拡大できます
(6)
(4)犬走りと延段(のべだん)の位置決めをして枠を組みます。
(5)ワイヤーメッシュを敷き、厚い石は先に据えておきます。
(6)下地のコンクリートを打設します。
延べ段石貼り施工中 拡大できます
(7)


犬走り施工中 拡大できます
(8)


施工後 拡大できます
(9)
(7)延べ段の乱貼りをしています。
(8)犬走りの下地コンクリートの上にモルタルを敷き、ハーデナーを振りかけて色付け。
(9)土の部分を真砂土で舗装して完成。

和風庭の背景作りに欠かせないのはなんと言っても竹垣。
(株)タカショーの人工材御簾垣 を使いました。

生垣現況 拡大できます
(1)


生垣撤去 拡大できます
(2)


竹垣外観 拡大できます
(3)
(1)レッドロビンの生垣は大きくなりすぎて道にもはみ出てきたのでこの際撤去します。
(2)生垣を抜いてアルミ柱を立てたところ。
(3)御簾垣の完成。
施工前 拡大できます
(4)


竹垣施工中 拡大できます
(5)


竹垣施工後 拡大できます
(6)
(4)隣との境界ブロックを隠すため通常より少し高い7尺で作ります。
(5)生垣を撤去してアルミ柱を立てたところ外観。
(6)竹垣の完成。

再び庭に戻って別角度からの施工進行状況。
施工前 拡大できます

施工後 拡大できます
お客様の希望は雑然としていた庭をすっきりさせて落ち着く庭を という漠然としたもの。

剪定作業後 拡大できます
(1)


庭石移動 拡大できます
(2)


コンクリートの型枠 拡大できます
(3)
(1)まずはのび放題だった庭木を整理、剪定しお施主様と設計の青野が打ち合わせしています。
(2)生かす木を移植したり、庭石を一時どかしたり。
(3)コンクリート部分の枠を組みます。
犬走り下地 拡大できます
(4)


石張り下地 拡大できます
(5)


延べ段 拡大できます
(6)
(4)ワイヤーメッシュを敷き、厚い石は先に据えておきます。
(5)下地のコンクリートを打設します。
(6)延べ段の石貼り。佐久の摺り石を使用します。

犬走り着色施工中 拡大できます
(7)


犬走り施工中 拡大できます
(8)


施工後 拡大できます
(9)
(7)犬走りの下地コンクリートの上にモルタルを敷き、ハーデナーを振りかけて色付け。
(8)数日すると色が落ち着きます。
(9)土の部分を真砂土で舗装して完成。

順調に行っているように見えて色々問題も生じます。
五葉松堀取り 拡大できます
(1)


五葉松 拡大できます
(2)


ヤマモミジ 拡大できます
(3)
(1)既存の大きな五葉松を掘り取って移植しましたが、、、。
(2)2ヶ月後に枯れてしまったので
(3)やむなくヤマモミジに植え替えました。立派な五葉松でしたので残念ですがこういうこともあります。

さて、いよいよ今回の工事のメインイベント「水琴窟」のご紹介です。


水琴窟(すいきんくつ)
一見普通のつくばいですが、耳を澄ますと地の底から何ともいえない情緒のある音がします。
音を聞いてみたい方は タカショーリフォームガーデンクラブ内の動画をクリックしてください。
または当ページ一番下に動画があります。

施工前 拡大できます

施工後 拡大できます

給水管 拡大できます
(1)


掘削中 拡大できます
(2)


塩ビ管 拡大できます
(3)
(1)既存の給水管から分岐してパイプを延長し、植え込みの奥の筧(かけひ)から水が出るようにします。
(2)水琴窟を仕掛けるために人が入れるほどの大きな穴を掘ります。
(3)排水のための塩ビ管を作って設置します。
排水 拡大できます
(4)


土管 拡大できます
(5)


甕(かめ)拡大できます
(6)
(4)水琴窟の底に泥が貯まらないよう太いパイプに泥を逃がす仕組みです。
(5)コンクリートの枡を枠として下から積み上げます。甕の周囲に土が接しないためです。
(6)お客様の庭の片隅にあった古い甕の底に小さな穴を空けます。
水琴窟施工中 拡大できます
(7)


水琴窟 施工中 拡大できます
(8)


水琴窟 施工後 拡大できます
(9)
(7)コンクリート枡の底にモルタルを打って甕を伏せて入れます。
(8)甕と枡の内壁の間に石などを詰めて(ここは企業秘密!)穴に水が集まるように海を作ります。
(9)水琴窟としての仕掛けはこれで出来上がり。鳥海石を加工した水鉢を据えます。

水琴窟(すいきんくつ)の構造図
つくばい(蹲踞)廻りの仕上げをしていきます。
この庭は (株)タカショーのWebカタログ2008に掲載されています。

仕上げ前 拡大できます
(1)


丹波石 拡大できます
(2)


石貼り 拡大できます
(3)
(1)地中の仕掛けは全く見えなくなります。
(2)貼り石として丹波石を選びました。柔らかな風合いが木や真砂土にマッチします。
(3)石貼り施工中。水鉢の前には木曽石の役石(湯桶石、手燭石)を据えます。
瓦 拡大できます
(4)


瓦施工中 拡大できます
(5)


仕上げ施工後 拡大できます
(6)
(4)アクセントを付けるためにこんな造園用の瓦を用意してみました。
(5)延べ段とつくばい廻りとをつなぐデザイン性の高い”渡り”。
(6)つくばいまわりの完成。真砂土とそれぞれの素材が心地よく収まっています。

水琴窟(すいきんくつ)
20年間造園をやってきて、やっと4作目の水琴窟を造る事が出来ました。
何よりも嬉しかったのはそれをお客様の方から提案していただいたことです。
水琴窟には寿命があり、甕の底に泥などが沈殿していくと次第に良い音が鳴らなくなりますが、今回は このことに留意して泥が貯まらない工夫をしましたので何年先も鳴り続けてくれてるといいな。

藤沢市 I邸 水琴窟のある庭 動画

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