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〜施肥について〜


○なぜ、施肥をするのか?
   
山に生えてる木は肥料を与えなくても成長し花を咲かせ、実を付けます。
自然環境には生態系が確立していて、虫や動物の死骸から出る養分や、雨に含まれるミネラルを吸収して植物は育ちます。
落ち葉からも多少の養分を得ますが、いわゆる肥料としての役割よりも微生物や昆虫の生息を促し、地表の水分を保持し雑草の繁茂を防ぐなどの役目を果たしています。もちろん腐葉土として完熟すれば良い土壌となりますがそれは肥料分が多いという意味ではなく、物理的につまり、保水性や透水性に優れた土であるということです。
山から落ち葉を袋いっぱい取ってきて庭に撒いて満足げな方を見ることがありますがちょっと誤解をされているかもしれません。取ってきたばかりの落ち葉は肥料としても土壌改良材としても成り立っていません。
地表を保温する効果があったとしても、それは同時に病原菌や虫の温床となることでもあります。ある意味害虫や病気の冬越しを手助けしているようなものです。
腐葉土の作り方はまた別の機会にご紹介するとして、枯葉は肥料ではないということを理解してください。
なぜ、庭木には人工的に肥料をやる必要があるのでしょう。それは、生態系が確立していないからです。小動物の死骸も無く、鳥も少なく、獣の糞もなく、雨水も停滞せずすぐ下水に流れていってしまうからです。


○どんな肥料がよいのでしょう?
一言で言えば有機質の肥料が最適です。
ヒトの栄養もビタミン剤などの錠剤から取るよりも、食物全体からバランスよく取ったほうが体にいいですよね。
無機質肥料、いわゆる化学肥料はビタミン剤のようなものです。
胃も荒れるし飲み過ぎれば逆に体を壊します。植物にとっても化学肥料は刺激が強く吸水性が大きい為、根焼けを起こしやすいのです。
やりすぎは禁物です。
化学肥料の利点は手軽に施肥ができて即効性があるということですが、土にとっても敵です。化学肥料を多用すると土が固くなり土壌を悪化させてしまうのです。必要な場面を吟味して上手に利用しましょう。

配合肥料は数種類の無機質肥料と有機質肥料を機械的に配合した肥料で根焼けを起こしにくく、植物にも土にも優しい肥料といえます。
本当は牛糞や鶏糞が一番よいのですが、住環境を考えると使いにくいものですので、配合肥料を表土にすき込んでやるのが無難で手軽でしょう。
有機質肥料は緩効性なので、2月ごろ施肥をすると新芽の時期にちょうど効果が現れてくるわけです。

○どのくらいの量を使えばよいのでしょう?
自然界の林での有機質供給は堆肥(水分50%)に換算するとスギ林で年間20〜28ton/ha、広葉樹林で8〜16ton/haの有機物を必要としているといいます。堆肥中の窒素分の吸収率を50%とすると100〜150s/ha(1〜1.5s/100u)が供給されていることになります。
窒素:燐酸:カリ=10:10:10だとして窒素1sを与えるためには1s×100/10=10sの配合肥料が必要というわけです。
100uに10sですから(肥料の種類によって計算しなければなりません)この肥料の場合だと100g/1uの施肥が必要というわけです。

※詳しくは各肥料の説明書を参照してください。あくまで考え方の紹介です。

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