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投稿日:2002/10/08(Tue)

Q:27  今年は猛暑の上、当地方は渇水で大事なもみじの葉先が大分傷んでおります。特にどうだんつつじはひどいものです。
 さて、今時の作業と言うか剪定とか施肥、消毒などどんなことをすれば良いのでしょうか、特に猛暑明けの初秋に気を付けることがありましたらお願いいたします。

A:

 暑い夏でしたね。ウチの方でもモミジやヤマボウシが日焼けを起こしています。夏場はツツジなどの灌木も刈り込むと、今まで上の葉に守られていた葉っぱ達が陽にさらされることになり、すぐに葉焼けを起こしてしまうので困りました。
 ドウダンツツジなどは乾燥だけでなく潮(塩)にも弱いので、台風が持ってきた塩分混じりの雨に当たると傷んでしまうこともあります。九州は台風も多いですからね。

 さてこの時期の注意点ですか、、、。一口に言えば木々達の冬支度の邪魔をしないということでしょうか。休眠期に入ろうとしている状態を刺激しないことです。

 剪定は春の剪定に比べて軽めにし整姿を主眼とする程度に留めます。余り強く詰めると、木は根とのバランスを保つため葉っぱを出そうとしてしまいます。この時期に芽吹かせるのは寝ようとしている子を揺さぶり起こすようなもので、もうそれほど栄養も吸い上げていない時期なので貧弱な芽を出し、それが充実しないまま冬へと突入してしまうのです。木は疲れるし吹いた芽は寒さで傷む。これではかわいそうですし、景観的にも強剪定された寒々しい姿を春まで人目にさらすのは酷というものでしょう。

 同じような理由で今時期の施肥は必要ないと私は思います。寝ようとしている人がご飯を食べたいでしょうか?春の芽吹きに備える施肥なら12〜2月にやってください。その頃に有機質の肥料を与えれば、芽吹きの時にちょうど効いてくるのです。芝なども10月過ぎの施肥はかえって病気の発生原因になったりするのです。

 猛暑で木も疲れているだろうから肥料を、という考えは正しいようで間違っているかもしれません。人間でも本当に疲れているときはあまり食欲は無いし胃も疲れてるから消化不良を起こしますよね。せいぜいポカリスエットとかおいしいお茶とかくらいの方がありがたくありませんか?だから木も肥料を欲しがっているとは私は思えないのです。HB101とかメネデールなどの活力剤なら木に負担が無く、元気回復には良いと思います。肥料ではなく活力剤を。

 消毒はまだ必要のようです。横浜でもアブラムシだのハマキムシだのケムシ君だのみんな元気にしています。彼らのほとんどは冬までに成虫になり卵を残してその卵が冬越しします。(マツの毛虫は例外的に幼虫で冬越ししますが)卵になってしまうと通常の殺虫剤では退治が難しくなります。そうなると年明けを待って石灰硫黄合剤を捲くしかなくなるわけです。
 成虫のほとんどは羽を持って飛んでいるわけですから、幼虫のうちに駆除しなければなりません。ですからなるべく早めに手を打ちましょう。


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