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投稿日:2004/09/11(Sat)

Q:46 家の裏地に規模は小さいのですが竹林があり毎年楽しみに竹の子を収穫しています。
ここ数年、間引きをしていなく古い竹や家の方に覆い被さっている竹を伐採したく考えています。

そこで、来年も竹の子を取るのに適した伐採時期とどの竹を優先的に伐採したらよいか教えて頂きたく思い宜しくお願い致します。
ちなみに、立ち枯れの古竹の目立ちますが竹の寿命は植栽環境や管理にもにもよると思いますが何年ぐらいなのでしょうか。

A:

 10月から12月に伐採するのが普通です。若竹は出来るだけ残し、3〜5年生以上の老竹を根元から切り取りますが、蚊の発生を抑制するために切り株を縦に割っておくと良いでしょう。
 施肥も竹の場合はこの時期に与えます。油かすを100平米あたり50キロ程度まき地下茎を痛めぬよう土にすき込みます。さらに1ヶ月ほど経ってからケイ酸肥料を与えます。(同時にやると化学変化を起こして効果が半減します)ケイ酸肥料は竹に限って使われる重要な肥料で、具体的には「ケイカル」を100平米あたり1キロ程度まきます。

 大形の竹の寿命は個体的には10年から20年くらいです。ササ類では5年程度です。地下茎は3〜5年生のものがもっとも多くのタケノコを生じ6年生以上の地下茎は老衰の状態となります。
 個体としての竹は寿命が来ると地上部では花を咲かせて死にますが地下茎は死なずに甦ります。竹の蘇りのメカニズムは非常に神秘的で複雑で、一言には語れませんが、概略で言うと生き残った地下茎が新しい竹を出して生き続けていくので「永久的」といえる寿命が竹にはあるのです。竹林の中では部分的に開花による消滅と無性繁殖が繰り返されていますが、竹林全体としてはそれを感じさせることなくいつも青々している印象があります。

 まれに竹林全体の全面開花が起こって絶滅の危機に瀕しても、その中から花の咲かない竹を生じて次につなげていく力があります。開花する竹と開花しない竹を産み分けているので開花しない竹が竹林の回復竹の元となって復活します。全面開花が起こって竹林が全滅しても、この復活竹(細く弱々しい竹ですが)を伐らずにとっておけばやがて生まれ変わります。
 個体的には寿命がありますが、群として家族としての寿命は永遠なのです。すごいですね。

 ※注:竹の種類によって生態は微妙に違うので、あくまでも一般的な竹の性質として理解してください。


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