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Q:68  5年前に植えた玉造りのキンキャラです。直径60センチ、高さ50センチの大きさです。自宅敷地内で移動したいのですが、移動時期は何月頃が最適でしょうか。
 また、その時に注意することがありましたらば、合わせてお願い致します。よろしくお願い致します。

A:

 移植の適期は4月〜7月と9〜10月ですが、できれば2〜3月に根回し(根切り)をしておいてください。今年根回しをして翌年に移植した方がより安全です。(枯らしたくないならば必ず根回しをして1年待ってください。)

 注意点は根を切る時は良く切れるハサミできちんと切り直すことです。スコップで切っただけだとちぎられたような切り口になり腐れが入りやすく、細根の発根も遅れます。
 もう一つ、根鉢の土はなるべく落とさないように、できれば根巻きをしてから移動してください。

 移植そのものに言えることは「移植はできるだけしない」ことだと私は思っています。移植によって木はかなりダメージを受け必ず寿命を縮めます。場合によっては枯れてしまうリスクも背負うわけです。やむを得ない事情なら仕方ありませんが、木の健康を考えず人間の都合だけで安易に移植するのはなるべく避けたいものです。

 移植の際は根を切った分、地上部も剪定・刈り込みをするのが普通です。ただし、切りすぎないようにお願いします。状況が許せば(すぐに萎れるなどの症状がなければ)切らないで済めばそれに超したことはありません。

 以前私は、移植の際はできるだけ地上部を剪定した方がよいと思っていました。その方が木に負担が無く活着しやすいだろうと勝手に思っていました。間違いに気付いたのは植木屋を始めて10年も経ってからです。お恥ずかしい話ですが。

 当たり前の話ですが木にとって枝葉は重要な要素です。発根に必要な植物ホルモンやビタミン類を生産するのにたくさんの葉が必要です。ましてや移植によって新しい根を出さねばならない状況にあって葉が少ないのは致命傷です。
 根を切った分、上も減らしてやろうというのは人間の勝手な想像であって、切られた根に対応する葉がどれかなんてわかるはずがありません。切られた根に対応していた葉は木が自分で枯らすそうですからおせっかいもほどほどにしなければなりませんね。
 移植してから萎れだした葉を刈り取る程度で良いのでしょう。そういう意味でも一発で移植するより事前の根回しが重要なんですね。


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