No.021 坪庭 〜中区 U邸〜2002/04 |
お若い施主夫婦ですがとても「渋好み」で和風好き。人工材の竹垣もご自分で作られたそうです。 坪庭の広さは2間×1.5間(3坪:約6畳分)です。「限られた予算で落ち着いた和風の庭を」というご希望。庭いじりは苦にならないとのことでしたので、ご希望のスギゴケをふんだんに使って坪庭を作りました。 |
施工前 |
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施工後 (側面の景) |
施工前 |
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施工後 (つくばいとスギゴケ築山の景) |
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施工後 |
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お客様の希望で、延べ段は玄晶石の乱貼りとしました。国産の石材が少なくなった昨今には珍しい国産品です。濡れると美しい光沢で黒光りします。砂利は「白川」、灯篭は「織部型」、水鉢は「銭形」と言われるものです。植栽はつくばい後方にアオシダレモミジ、四つ目垣脇にヤマモミジ、隣地目隠しにクロチクを植えただけのシンプルなものです。 |
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鉢明かりの景 | ||
灯篭の火袋にライトを仕込んで演出します。濡れ縁の下にもスポットを忍ばせ夜の演出も素敵です。 写真ではおわかり頂けませんが、スギゴケの為に竹垣のてっぺんにマイクロスプリンクラーを取り付け、タイマーによって定時間に散水する設備も作ってあります。また、無造作に置いてあるだけに見える水鉢もきちんと排水設備を備えています。 こういう和風の落ち着いた庭を作りたいという動き(ニーズ)が最近は多く感じられます。特に若い世代がこちらに目を向けてくれるのはとても嬉しいことです。 ただ私は、「和風っぽい」というだけでいい加減なでたらめな庭を作ってはいけないと自分と社員を戒めています。伝統の中には数々の「きまりごと」があることもないがしろにしてはいけないと思うのです。ちゃんと基本を踏まえた上で「新しい和の庭」が生まれていくことを切望しています。 |