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投稿日:2003/05/11(Sun)

Q:10-1 札幌市に住む者です。造園について独学でいろいろ学んでいる造園愛好家です。植栽の施工方法についていろいろ捜しているうちに貴ホームページに巡り会いました。多彩な情報を親切に提供されているのには驚きと共に嬉しいかぎりです。
 さて、質問なのですが、マンションの植木マス(幅1m、長さ8m、深さ80cm、マスはベランダの外部にあり雨露がまともに浴びる場所です)に植栽をしたいと思っています。
植える予定の樹木は自然形のオンコ(高さ1m) 、ヤマツツジ(高さ50cm) 、サツキの寄植え(高さ20センチを幅2メートル位) 、ナツツバキ(高さ1.5メートル)。
このマンションは建ってから5年になるのですが当初植えられていた紅葉やサツキはことごとく枯れています。
土に問題があると思って下まで掘ったところ黒土が40cm程あり、その下が砕石が転圧された状態で入っていて、さらにその下がコンクリートのベースでした。また、このコンクリートマスには水の抜け穴がありません。
 それで私が考えた事は古土、砕石を全部出して下40cmを礫の層にし、その上40cmを黒土にしてみるのはどうかと考えました。
ただ、下がコンクリートで水が抜けないので水がどんどん溜まり、やがて根腐れ起こして枯れないかが心配です。
 質問の第1点は私が心配している根腐れは生じる恐れがあるでしょうか。それとも私がしようとしている方法でも良いでしょうか。
 また、本には暗渠を設けると良いとか書いてありますが、この場合そこまで必要でしょうか。さらに、また別の何か良い方法があるでしょうか。
 第二点は用いる土です。黒土だけを用いる予定なのですが本によると腐葉土、ピートモス、堆肥などを混入すると良いと書いてあります。
ただ、植付けの際そのようなものを下手に混入すると根やけなどの害が生じて枯らしてしまうこともあると聞いたこともあります。ただできるだけ良い土に植えたいと思ういますが、何が安心して使える良い物で、何が必要なのか良く分かりません。実際、黒土だけでよろしいものでしょうか、それともこれだけは入れておいたものが良いという物があるでしょうか。
上記の2点について教えていただけないでしょうか。日々本業を果たしながら、さらに余分の労を果たされお忙しい事と察します。もし可能でしたら、アドバイスいただければ幸いです。

A:

 深さ80pのうちの土が半分、砕石層が半分、、、、まあ植物がぎりぎり生きていける環境ではあるかもしれません。ただ、底が抜けていないというのは大きな問題です。停滞した水が腐ったりするでしょうし、新しい酸素が供給されにくいからです。
 根には水と同じくらい酸素も必要です。通常水が根の間を通り抜けたところに新しい酸素が入り込むわけですから根の下の地面は抜けていなくてはなりません。植木鉢に穴が空いているのと同じです。

 お話しではマスの底は抜かずに土を入れ替えるおつもりのようですから一つ提案をいたします。底の部分は単なる礫ではなく「ホワイトローム(黒曜石パーライト:東邦レオ梶j」を敷き詰めて、その層に密着させる形で「DOパイプ(酸素管:東邦レオ)」を数カ所に立ち上げてください。これで土中の通気性が確保され、根腐れ予防になります。

 用土は黒土単用ではなくA・Gロック(硬質流紋岩発泡物:東邦レオ)を20%程度混ぜると保水性と透水性を同時に改善できます。
 ピートモスは酸性が強いので植える植物によっては向かないことがありますがサツキなら入れても良いでしょう。腐葉土も黒土の透水性、保水性を補う意味で混入しても構いませんが有機質は虫を呼ぶことも考慮して使った方がよいでしょう。畑ならいざ知らずマンションとなれば隣人等にも配慮が必要かもしれませんから。黒土にA・Gロックを混ぜるだけで充分だと私は思います。底が抜けていないということを考えるとたい肥なども入れない方が無難だと思います。植栽マス内の酸素が有機質の分解のために使われると植物の酸素取り分が減るような気がするのです。

 以上「東邦レオ(株)」の宣伝みたいになってしまいましたが、私の経験上ここは結構「優れもの」を扱っていますよ。弊社ではほとんどの植栽工事で上記の土壌改良材を使用しています。HPもあると思いますから探ってみてはいかがでしょう。

Q:10-2  先日は具体的な施工方法について教えていただきありがとうございました。植栽において排水の大切さを思い知らされ、早速東邦レオのホームページから必要な資材について情報を得てこれから実際にやってみたいと思います。
 また、充実したホームページを維持するために心身両面で多大なご苦労があることも知る事ができました。造園関係のホームページで木下様のような理論と技術面で信頼の置ける充実したものはなかなか他にはないと感じますので私のような造園愛好家のような者のためにもどうぞこれからも充実した情報を提供してくださるようお願い致します。

 ところで、先日の質問に加えてさらに質問させていただきたいと思います。教えていただいたことに従って、これからホワイトロームの層を下に20cm程敷き詰めてDCパイプを立ち上げる事によって通気性を確保したいと思うのですが、

 1.ホワイトロームの層に当然水が溜まると思いますが、その水もこのDCパイプを通して自然に蒸発などの形で排出されるのでしょうか。それとも定期的にポンプのようなものでくみ出す必要があるのでしょうか。

 2.また、この施工法においてこの点だけは注意しなくてはならないというキーポイントがあるでしょうか。

 3.さらに、施工後にこのパイプを管理する面で必要な事があるでしょうか。

 度重なる質問でお手数をお掛けしますが教えていただければ嬉しく思います。

A:

 1.停滞している水でも蒸発と毛管現象により排出されます。

 2.DOパイプは下部がホワイトローム層に埋まっていて、上部が地面より少し出ていなくては意味がありません。そして地上部の先端には別売りのキャップ(プラスチックの植木鉢のような形状、黒色)をかぶせて排出口を確保することが重要です。

 3.特にメンテナンスは必要ありませんが前述の排出口を塞がないように気を付けることくらいでしょうか。

 東邦レオに資料請求してカタログをいただくと良いですよ。「緑の仕事」というカタログですが、土壌改良材の具体的な使用法や衰弱した木の治療法などが書かれていて、あなたのような熱心な方には役に立つと思います。成功を祈ります


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