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Q:
保育園の木に「オオワラジカイガラムシ」と思われるカイガラムシが大発生してしまいました。
見た目にも気持ち悪いし子供たちに何か悪い影響が在るのではないかと(かぶれる等)心配しています。

A:

 まずかぶれることはありません。見ただけでちょっとかゆくなるなんて事はありますけど。薬剤は孵化初期ならカルホス乳剤が有効ですが、成虫にはあまり効果が上がりません。冬期なら「マシン油乳剤」が有効なのですが、今時期は使用できません。
 あとは「テデトール」しかありませんね。え?だからつまり「手で取る」しか、、、、。(農林水産最新情報館/www.afftis.or.jp/からのパクリです)筆やブラシでこそぎ取れば二度と上がってくることはできません。ただし重労働ですし、高所は危険です。

 カイガラムシとは要するに樹液を吸って生きている虫で、アブラムシの親戚みたいなものです。人に害を及ぼすわけではありません。不快感無く共存出来るかどうかの問題ですね。「どっか行って」と頼んだところでビクともしないヤツですけど。
 そうそう、ついでに申し上げておきますが、カイガラムシやアブラムシを放置していると葉や枝が黒くすすけてきます。これらの虫の排泄物が原因で「すす病」が発生するためです。来年、枝葉が更新すれば消えますし、人にうつる病気じゃありませんけど。

 「もともと害虫などこの世に存在しない。それを作り上げているのは人間なのだ。」と誰だか偉い先生がおっしゃっていたのを思い出しました。悪い病気を媒介するゴキブリや、かぶれさせる毒蛾のような明らかに人間の敵と思われる虫は仕方ないとして、また、食料を得る為に栽培されている野菜などに付く虫は別として、そこらの樹木に付く虫たちに一体どんな害を受けているというのだろう、、、なんてことに思いを巡らすと複雑な気持ちになります。「大好きな樹木達がモノも言えずにかじられている姿を見るのはいたたまれない!」なんて正統化すればいいんだろうか、、、。偽善者にもなれない僕はきっと明日になれば「お客さん、虫が出てますねぇ、消毒しましょう!」なんて軽く言ってのけるのです。




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