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Q:
植えて4年になる3メートル位の樹高の姫しゃらです。 大好きな樹でいつも見上げていますがどうした訳か樹の途中 2メートル程から上が全く芽吹きが見られません。 何かしてやれることがあるのでしょうか。

A:

 考えられる原因は二つ。
 一つは夏場の水切れです。4年も経てば細かい根がびっしり詰まっているでしょうから、多少の水やりでは充分に水が行き渡りません。特に根鉢の底の部分に水を供給するのはかなり大変です。腐葉土などがたっぷりあっていつも湿潤状態を保っている山の中ならいざ知らず、ささっとホースで水まきする程度では表面が濡れるだけで中まで浸透しません。水の出を細ーくしてホースを投げ出しておいて20〜30分放置するくらいやらないとダメです。頭から枯れ出した木の根っこを掘ると大抵はそこの部分が根ぐされしてぐちゅぐちゅになってるか、パサパサに乾いているかのどちらかです。ヒメシャラやシャラの場合は後者の方が多いです。

 二つ目に考えられるのは「シンクイムシ」の被害です。幹の特に根本をよーく観察してみてください。おがくずがこぼれたような跡とか幹の傷とか穴とか見られませんか?或いは幹の途中かも。
 完全に枯れた幹からの萌芽は期待できませんので、枯れた部分を鋸で落として断面を見て穴が空いていればそれはシンクイの仕業です。穴からディプテレックスなどを流し込んでパテで穴を塞ぎます。通じている穴はすべて塞いでガスを充満させます。越冬しているヤツがいたらそれで退治出来ますが、それは被害を食い止めるだけのことで治る訳ではありません。

 残念ですが多分その枯れ込みはだんだん下へと下ってくるでしょう。根元まで進行しないウチなら打つ手は無くもありません。地際から10pくらい上の位置ですっぱりと切ってしまうことです。
 乱暴のように思えるかもしれませんが、運が良ければ(樹勢があれば)株立ちとして復活するでしょう。時期的には地域にもよりますが2月から3月頃です。根元まで枯れ込んでしまったらこの手は無効です。思い切るならお早めに。



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