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マツの手入れ その1 2000年12月

施工前
施工前
施工後
施工後
 まぁ、普通なら施工前と施工後の写真を並べて「どうだ」で終わりなのですが、今回は手入れのナカミを掘り下げてみようかと思います。目的はウチの従業員へのマニュアル作りの一環としてがひとつと、対外的に植木屋のシゴトの一端を知っていただくというものです。植木屋初心者の為のテキストとなり得るかどうかは保証しませんが、転用する場合は私にご一報ください。お代を取ったりはしませんから。(木下)
 まずはじめに簡単な解説をしておきます。
施工前
施工前
施工後
施工後
 まずはじめに簡単な解説をしておきます。  マツの手入れ(このページではクロマツを指します)、特に冬場の「古葉ひき」「もみあげ」は何の為に行なうのでしょう。

 最大の目的は木の内部全体に陽が入るようにする為です。マツは1年経った古葉を自分で落とすことが出来ず、放っておけば枯葉となっても木に残っていたりします。そのままにしておくと古葉に埋もれた小さな枝や芽が日照不足で枯れてしまいます。輪郭の外側の枝葉だけが外へ外へと間延びし、見るも無残な樹形となってしまいます。これを事前に防ぎ木の中のほうまで光が入るようにしてやるわけです。

 第2の目的は葉の数を減らして木の勢いを調整するということがあります。マツは樹勢が比較的強いので庭木として樹形を保つにはある程度木の勢いを抑えなければならないからです。

 これらのことを踏まえた上で最も大切な目的は美しい木を作るということでしょう。玉の一つ一つの輪郭がきれいにそろって、枝のつくりが隅々までよく見え、もみ上げられた小枝の先にすがすがしい緑の松葉がツンと空を突いている風情は木の名前を知らぬ人にさえ感動を与えるはずです。

 「庭木の手入れ」について全般に語っている市販の本にもマツの手入れの仕方は必ず載っているでしょうが、その基本的なやり方だけでは実際には対応できない場面もあります。このページではそういった裏技というか一歩入り込んだ能書きを紹介したいと思っています。


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