2〜3月、落葉樹剪定
落葉樹は葉っぱの無い時期に剪定するのが一般的です。枝振りが見やすく枯れ枝も発見しやすいからです。暮れに切るよりも今時期のほうが切り口が寒風にさらされる時間が少なく、暖かさに向かっている時期のほうが木のダメージが少ないのでこの時期を選びます。「どこで切ったって枯れやしない、大丈夫!」と元気の良い植木屋さん(あるいは素人の方)がブツブツに太い枝を落としているのを見ますが(写真1参照)あれはいけません。ちゃんと切りどころがあるのです。脇枝を残して切らないと落葉樹本来の”柔らかさ”自然樹形が失われるばかりでなく、細かい枝がたくさん出て見苦しくなりますし、後々それらを整理するのが大変です。(写真2参照)
(写真1:ブツ切りの例)
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(写真2:不定枝の発生例)
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美観の問題だけではありません。ちゃんとした切り方をしなければならない理由にはもうひとつ大変大事なことがあります。枝を切れば必ずそこから木の大敵「腐朽菌」が侵入します(詳しく知りたい方はCODIT論を参照してください。)。
誤った剪定(写真3)をするとその腐朽菌を木の内部深くまで呼び込んでしまい、木の寿命を縮めてしまうのです。
(写真3:悪剪定・うちの仕事ではありません!)
(写真4:枯れこみの例)
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(写真4)は誤った切断により”枯れ”が進行してしまった例です。おそらくこの木の内部は腐朽菌の餌食となっていることでしょう。心無い(あるいは知識の無い)植木屋が木々の寿命を縮めてるなんて、とても悲しい話です。
※なお、文中「枝を切る」などの記述がありますが、通常植木屋は「切る」という言葉は縁起が悪いので使わず、芽先なら「摘まむ」、細い枝なら「はさむ(鋏む)」「飛ばす」「抜く」「詰める」、太い枝なら「落とす」「下ろす」などと言います。一般の方にわかりやすく伝える為、あえて「切る」という表現を用いますが本意ではないことをご理解ください。
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自社施工例
(写真4:ケヤキ剪定施工前・施工中・施工後)
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